はじめに
この記事にたどり着いた方の中には仕事が思い通りに行かずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
もしかすると仕事がうまく行かない理由が「人間関係が原因になっているかもしれませんよ」っていうお話をこれからご紹介する本の引用を通してご紹介したいと思います。
これから私が印象深いと感じたところをご紹介し、私が感じたこと学んだことを書いていきます。
ビジネスでは、人に好かれなくてもいい。 そのかわり信頼される必要がある
みなさんは、友人と仕事での対人コミュニケーションとでは、何が違うと思いますか?
私は、次のように考えています。 それは、友人との人間関係はコントロールできませんが、仕事での人間関係はコントロールできるということです。たとえば、気の合わない人と仲良くなろうと思ってもできませんが、タイプの違う人と仕事をするこはできますよね。
それは目的が違うからではないでしょうか。友人関係では、 仲間同士の良好な関係づくりが目的ですが、 仕事では「成果を出す」ことが目的です。
しかし、これを混同してしまうと、仕事での人間関係 のトラブルにつながってしまうのです。
クライアントの相談の多くは「 仕事でのコミュニケーションなのに、 好かれることを目的にしてしまった」というケース が目立ち ます。
「仕事がうまくいっているのは、人から好かれているからだ」と考えている人がいます。
私は、産業カウンセラーの立場として行うカウンセリングでは、 資格の性質上、 目の前のクライアントに対して、一方的にアドバイスはしません。
一緒に悩みを分析しながら、問題解決に取り組みます。
しかし、この立場にある私が、どんな人にでも確信を持って言えることがあります。それは、
「 ビジネスでは、人に好かれなくてもいい。 そのかわり信頼される必要がある」
ということです。
ビジネスパーソンにとって、コミュニケーションとは、誰からも好かれることが目的ではありません。
引用)宮本実果. 仕事は人間関係が9割 株式会社クロスメディア・パブリッシング.
人にできるだけ好かれたいというのはおそらく誰もが少なからず持っている感情でしょう。人に好かれるということは非常に気分がいいですよね。
ただ仕事やビジネスにおいては、
好かれることではなく信頼されることに重きをおくべきである
ということですね。
ここって意外と盲点ではないですか?
私にとっては目から鱗でした。本当に心にしみました。
人間関係のトラブルや悩みは、ほとんどが「価値観」が違うことに気づかない「勘違い」から始まっている
自分の価値観と相手が同じ価値観だったという経験はありますか?その相手は、きっと運命の相手か奇跡的な出会いだと言いたいところですが、おそらくそれは「勘違い」でしょう。
同じ環境で育った家族でも、価値観が同じとは言えません。人のパーソナリティーが形成される過程が家庭環境、教育環境、職場環境という話をする場合、これらが関連することが多くあります。しかし、「価値観」は、人それぞれです。
みなさんのまわりで起きている仕事の人間関係のトラブルや悩みは、ほとんどが「価値観」が違うことに気づかない「勘違い」から始まっています。
その「勘違い」の正体とは、同じ境遇だからきっと自分の言っていることがわかってくれているはずだ。と思っているところからはじまっています。
具体的には、同じ会社、同じ世代、同じ職種、同じ部署などです。
たしかに少し近い価値観が形成されることもありますが、「自分と同じ価値観」は誰一人として存在しません。
引用)宮本実果. 仕事は人間関係が9割 株式会社クロスメディア・パブリッシング.
私はもう40年近く生きていますが、「人間関係のトラブルや悩みは、ほとんどが「価値観」が違うことに気づかない「勘違い」」という事実に全く気づいていませんでした。
今気づくなんて相当な独りよがりですよ。私の周りにいてくれた人たちに本当に感謝しかありません。
「人間関係のトラブルや悩みは、ほとんどが「価値観」が違うことに気づかない「勘違い」から始まっている」ことに気づかないなんて相当な失態ですね。
よく考えると自分の奥さんでさえ同じ価値観ではないですものね。ありがたいことに自分の奥さんにほとんどイライラすることはありませんが…。
お互いが感情的なことに巻き込まれている状態でのコミュニケーション
あなたにとって、価値観が違う、話がかみ合わない「上司・先輩・同僚・部下」がいるとしましょう。
結局、ストレスになっている原因とは何でしょうか?
- 上司の過去の体験談で自分が今起きている問題を片づけられてしまい、その日は、モヤモヤした一日だった
- まったく別の状況にも関わらず、自分だったらできたのにということを先輩から言われてしまいショックだった
- 面倒な上司とプライベートで仲良くしている同僚から、「上司の話に納得がいかなくても僕もそう思いますって言っておけばいいんだよ」と言われ、イライラした価値観の違いにより感情面に悪影響を及ぼし、ストレスを引き起こす原因になります。
また、さらに最悪な状況があります。それは、
お互いが感情的なことに巻き込まれている状態でのコミュニケーションです。
そこに価値観が違う同士で話をすると、お互いにイライラが止まりません。
そして、こんな方程式ができ上がります。
価値観の違いでイライラ×感情的になっていてイライラ=ストレスMAXで本来の自分のパフォーマンスが発揮できない
成果を求められるビジネスパーソンには致命的です。
引用)宮本実果. 仕事は人間関係が9割 株式会社クロスメディア・パブリッシング.
私も相当感情的なタイプの人間です。今までに経験したトラブルなんかを思い返しても同僚や上司など相手が感情的なタイプだった場合は最悪でしたね。
大人ですから、表面上は何ごともないように振舞いますが、私も恐らく相手も心の中では色々な不満が渦巻きあっていましたね。
とにかく感情的であるということは仕事という成果を出さなくてはならない場面では不利ですね。気をつけなくては…。
相手の考えに合わせることではなく相手の価値観を知る
ビジネスでは相手の性格や人格を理解することは大きな問題ではありません。
大切なのは、お互いに気をつかいすぎて、相手の価値観「YOUR価値観」に触れず、どうにか穏便に仕事終わらせたいと思っている場合が多いことです。
では、その仕事はどんな結果をもたらしますか?
…
- わかり合えるはずだと思い込んでいる必死になる(お互いにエネルギーの無駄づかい)
- 一生懸命向き合う時間は膨大(互いに時間の無駄づかい)
- ストレスがたまりビジネスパフォーマンスが低下する。
本来、ビジネスパーソンが向けるべきエネルギーは、本来仕事の成果に直結させるパフォーマンスのためにあります。
しかし、ここでは、価値観の違いに奔走され、感情に振り回されたエネルギーの消耗が生じます。
「YOUR価値観」では、相手の考えに合わせることを推奨しているわけではありません。
相手の価値観を知ることによって感情に振り回されずお互いに本音で仕事を進める「成果を出すための方法」です。
お互いの価値観の違いによるモヤモヤした感情と向き合うよりも、お互いを尊重し合うことによって仕事を進める方法をお伝えします
引用)宮本実果. 仕事は人間関係が9割 株式会社クロスメディア・パブリッシング.
相手の価値観に合わせるのではなく相手の価値観を知るということですね。相手に合わせる前に知るということが大切ですね。
そして相手の価値観を知ったうえでそれを尊重するということ。これが人間関係を築くうえでの土台になるんですね。
では仕事で良い人間関係を築くためにはどうすれば良いのかをこの本ではしっかりと示してくれていますので次の項でご紹介します。
仕事で効果をだすために重要な傾聴スキル
ビジネスパーソンのセッションや研修では、カウンセリングの技法で重要な「傾聴」という技法を使って相手の価値観や考えにそって目標を設定し一緒に解決へと向き合います。
この手技は1対1で仕事をするときももちろんですが、チームで仕事をする場合にも、効果的な使い方ができます。
少人数制のでディスカッション研修や会議でのファシリテーションに使用すると非常に効果的です。
そもそも、「傾聴」とは、相手の話していることを否定的な態度や考えで聞いたり自分の意見を押しつけたりせず、相手が感じていることや価値観をもれなく一生懸命聴くことです。
大変そうな手法に感じますが、実は、感情に振り回されないコミュニケーションが可能な、とても省エネな手法なのです。
ビジネスシーンで気疲れするのは、「あの人はこう思っているだろうか」と相手の気持ちを想像して、気をつかいすぎ、結果的に色々と考えて悩むことです。
傾聴は、自分の価値観と感情を相手に直接ぶつけあうことで意思疎通を行わないので、お互いにエネルギーの消耗を防ぐことができ、安定した意思疎通が可能です。
…
傾聴が省エネになる理由はもう一つあります。
それは傾聴を使うことによって相手の心が動くからです。
通常、誰かに相談する場合、相手の価値観ではアドバイスを言われ、その人の成功体験を自慢されて、それを実際にやってみるといいと言われることもあります。
しかし、傾聴でコミュニケーションをとった場合、
- 自分の価値観やそのときどう感じていたのか?を考え、
- 自分がどんなことおを考えているのか?をじっくり見つめることができる
ので、「自分が言っていることは本当に大丈夫?「あの時の行動や言動は感情的になりすぎていたのでは?」ということに気づくことが可能です。
要するに、相手から強制・指示・干渉されるよりも、自分の発言によって問題を発見し、気づきがえられるので自分の問題だという認識として強い意思で行動することができます。
部下に対して何度も「あれをやって欲しい」「考えておいて欲しい」と言っても、相手は行動しないのに対して、必死で自分のアドバイスを投げかけてもなかなか響かず、結局エネルギー消耗が激しいことが、傾聴によって解決できるのです。
また、相手が積極的に行動するので、成果が出やすく、目に見えたり売り上げなどの成果が表れる可能性が高くなります。
引用)宮本実果. 仕事は人間関係が9割 株式会社クロスメディア・パブリッシング.
とにかく相手の話に傾聴するということですね。
傾聴は相手の抱えている問題が何であるのか、そもそもお互いの悩みが何であるのかを知るためには非常に重要なスキルであるということです。
しかし、なかなか相手が何に悩んでいるのかを知ろうと待っていても相手が口を開いてくれることって、ほとんどありません。
だからこそ自分から相談することが大切だということですね。
相手に相談することのメリット
- お互いに問題点を把握できるので仕事が停滞せずにすむ
- 相談した人はスッキリするだけでなく、相手が自分の話をしっかりと聴いてくれたという実感がわき、相手に対して信頼感を抱く
- 相談された側は、自分も人を通して物事を考えるプロセスに成熟さを増し、思考の整理ができるようになり、自分自身の問題解決スキルの向上にもなります。
上記のメリットがあると本書に書いてあります。
そして本書では、ビジネスに役立つ7つの傾聴技法が紹介されています。
具体的には、
- 単純な応答:手法:うなずき、あいづち、繰り返し
- 話しやすい環境づくり:手法:時間の制限、守秘義務を伝える。
- 出来事を伝え返す:手法:相手の話しの趣旨や経験・行動・考え・価値観などを受け取り、伝え返す。
- 相手が感じた気持ちを伝え返す:手法:相手が体験している感情を、明確に、簡潔に伝え返す。
- 出来事と感情の関連性を伝え返す:手法:相手の話の中に出てくる事柄と感情の結びつきを理解して、伝え返す。
- 話のポイントを一緒に確認:手法:相手の話しのキーポイントを抑えて、正確・簡潔にまとめて、伝え返す。
- 気づきと問題解決のための質問:手法:相手が自由に回答出来るような開かれた質問と「AかB,どちらか?」という閉ざされた質問を、状況によって使い分ける。
とあります。
積極的な傾聴を実践するためには非常に重要な内容ばかりだと思います。
上記7つの傾聴の技術の詳細については本書にて具体例を示して紹介されていますので非常に参考になりますよ。
まとめ
仕事を円滑に進めて成果を出すこと。そのためにはムダな精神的ストレスを抱えていてはダメです。効率が悪すぎる。それを防ぐためにも、
- 相手の価値観を知ること。
- そして相手の価値観を尊重すること
そのために相手の話に耳を傾ける傾聴こそが重要であるということ。ビジネスをするうえで非常に重要なことを学ぶことができる本です。
傾聴の技術も詳しく説明されているので面白いですよ。
ぜひとも、ご一読ください。
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