はじめに
『言ってはいけない 残酷すぎる真実』、『臆病者のための億万長者入門 』他にも『幸福の資本論』など数々の本を出しておられる橘玲さんの本をKindleで読んでみました。
私は投資を始めるときも始めてからも『臆病者のための億万長者入門 』を読んで勉強させていただきました。
皆さんの中にも『臆病者のための億万長者入門 』を読んで投資を始められた方も多いのではないでしょうか?
「人生100年になる時代をどういう戦略で生きるべきか」という非常に興味深いテーマを橘さんらしく、相当かみくだいて理解しやすく書いてくださっています。この本は専業主婦や女性に限らず男性も含め現代を生きる私たちには正に必読の書というべきものです。
わたしは女性でもなく専業主婦でもありませんが今後どのように歩めばよりよい人生になるのかを考えこの本の大きなポイントをまとめてみました。
本書の5つのポイント
- これからは、専業主婦はなにひとついいことがなくなる
- 好きな仕事を見つけて、それを〝スペシャルな仕事〟にする
- スペシャルな仕事をずっとつづけて「生涯現役」になる
- 独身ならソロリッチ、結婚するならダブルインカムの「ニューリッチ」を目指す
- フリーエージェント戦略で、カッコいいファミリーをつくる
引用)橘玲. 専業主婦は2億円損をする. 株式会社マガジンハウス.
本書をまとめると上記5つのことについて、しっかりと考察されています。
ただこのポイントだけをみても凄いことを書いているようには感じますが初めて聞いた言葉もあることでしょうし、なかなか伝わりにくいかもしれません。
そこでこれらの詳細をそれぞれのポイント別に要約して見ました。
これからは専業主婦はなにひとついいことがなくなる
本書では専業主婦は日本だけの絶滅危惧種だとスパッと言い切っています。
しかし現在の日本でも未婚女性の3割が専業主婦を希望しているというデータがあるそうです。
こんなデータもあるくらいですから、おそらく専業主婦は未婚女性の中には専業主婦が憧れや勝ち組だと思っている人もいるのではないでしょうか。
そんなことをいっている私自身は奥さんの友人は専業主婦が多いこともあって自分の奥さんを専業主婦にしてあげることができないことに後ろめたさを感じているのが正直なところです。
ただ本書の中に私にとっては朗報があって専業主婦になりたい女子は賢い男子に選ばれないということです。なぜならこの専業主婦願望が強すぎる女性をやしなっていける器がある男性は少ないのが最近のスタンダードです。したがって男性が結婚相手を選ぶときに仕事をしていて経済力がある女性を選ぶ傾向があります。
現代はリッチな男性とリッチな女性が結婚する同類婚がどんどん増えていく時代のようです。
幸福とは自由(自己決定権)のことです。そのためには経済的に独立していなくてはならないということです。これは今や世界の常識だそうです。
この経済的独立を自分から捨ててしまうような専業主婦は自由と幸福からもっとも遠い生き方になります。
また本書にもあったように本当の愛情や信頼は対等な関係からしか生まれないと私も思います。そもそも夫に依存しすぎては自分の人生を楽しむことが難しくなるでしょう。
そして専業主婦が夫と離婚し母子家庭になったときのリスクについても書かれています。この離婚というものは交通事故のようなものだといっています。専業主婦の女性を養える男性と運良く結婚できたとしても離婚する可能性は誰もがあります。
したがって専業主婦を目指してしまうと、
- そもそも素敵な男性とは出会いにくくなる
- 経済的自立が難しくなる
- 離婚した後の生活のリスク
このようにとてもじゃありませんが、本質的な人生の勝ち組からは遠ざかるということを相当熱く語っておられます。
好きな仕事を見つけて、それを〝スペシャルな仕事〟にする
橘さんは仕事の種類をバックオフィス、スペシャリスト、クリエイターの3つに分類されています。それぞれの内容としては、
- バックオフィスであるマックジョブはマニュアル化された拡張不可能な仕事で、達成感はないが責任はない。
- スペシャリストは、クリエイティブクラスのなかで拡張不可能な仕事に従事するひとたちで、大きな責任を担うかわりに平均して高い収入を期待できる。
- クリエイターはクリエイティブクラスのなかで拡張可能な仕事に挑戦するひとたちで、いちど大当たりすれば信じられないような富を手にすることができるが、ほとんどは名前を知られないまま消えていく。
バックオフィスでは自分の労働を時間給でしか会社に売るしかなくなり、自分のキャリアを築き上げることができません。
ただ全ての人がクリエイティブクラスのスペシャリストやクリエイターを目指しましょうという話ではなく、どの分類に属する仕事を選択するのかはあくまでも自分次第だということです。
また本書の中で大変、残念に感じたことは日本のサラリーマンのほとんどが上の分類でいうとバックオフィスに属するマックジョブであるとのことです。
この本の中で興味深かった内容のひとつはうつ病を減らすことに対する考察です。
うつ病は残業時間を減らせば解消できるのか。
単純に残業時間を減らしたところでうつ病を減らすことは難しいだろうといっています。
そのように考える理由は2つあるようです。
ひとつ目は日本の企業はサービス残業の時間で社員を評価するというシステムが根付いている。
社員も残業代を含めた給与をアテにして生活しているため単純に残業を減らすことは難しいということです。残業をやめれば給与が減るので残業を減らす努力を労働者自身も本気で取り組もうとしないということ。
2つ目は会社はこれまで色々な仕事をこなすことができるゼネラリストを量産してきたが、近年では仕事がどんどん複雑化・高度化しており、それぞれの仕事がとても片手間でできる内容ではなくなってきています。これがサラリーマンのストレッサーひいてはうつ病の原因になってきているということです。
したがって単純にサービス残業などの残業時間を減らしたからといってサラリーマンのストレスやうつ病を減らすことはできないということを書いています。
スペシャルな仕事をずっとつづけて「生涯現役」になる
多くの経験を通して本当に自分が好きな仕事を見分けることができたら、その仕事で生涯現役でいられるように専門スキルを磨き努力していくことが必要になると言っています。
独身ならソロリッチ、結婚するならダブルインカムの「ニューリッチ」を目指す
生涯現役を目指せば結婚しなくてもソロリッチと言われる独身貴族になれるし、結婚すればお互い協力しあってニューリッチを目指せるということです。
このニューリッチというのは、アメリカでは特に憧れとなっているライフスタイルとのことです。あとでもう少し詳しくまとめます。
フリーエージェント戦略で、カッコいいファミリーをつくる
フリーエイジェントは「好きなこと」に人的資本の全てを投資するクリエイティブクラスです。彼ら/彼女たちは大きな人的資本を持っているので、「ソロ充」からやがて「ソロリッチ」になっていきます。もちろんこのままずっと「ソロ」でもいいのですが、「ソロリッチ」同士がカップルになると「ニューリッチ」になります。
フリーエイジェントとは自営業のことをいいます。自分が好きなことを徹底的に極めたクリエイティブクラスの自営業ということですね。
それぞれ高い専門スキルを持っている男女が結婚をすることでよりカッコいい家族を目指せるということですね。
リベラルでカジュアルなお金持ちであるBOBOS
みなさんはこのボボズという言葉はご存知でしょうか?
こうしたニューリッチのライフスタイルが、アメリカではいまいちばんカッコいいとされています。──ブルジョア(Bourgeois)とボヘミアン(Bohemian)を組み合わせて「BOBOS(ボボズ)」と呼ばれます。〝リベラルでカジュアルなお金持ち〟という感じの言葉”引用)橘玲. 専業主婦は2億円損をする. 株式会社マガジンハウス.
私はこのボボズという言葉はしりませんでした。初耳でした。
ボボズはお金があってもカジュアルでいることを好むライフスタイルのことをいいます。
例えばアルマーニを着て三ッ星レストランに行くよりも、ユニクロを着て近所のビストロに行って夫婦でおいしいワインを飲もうとか、豪華クルーズよりも子どもたちと山に登って自然に触れるほうがぜいたくだよねという価値観のことをいいます。
ブランドを追い求める高級志向ではなく家族との時間などに時間やお金を使うライフスタイルということです。
ボボズになれるのはアメリカでも一部の限られたエリートたちです。ボボズの条件は専門スキルがあって自立していること。
アメリカでフリーエージェント(自営業)と呼ばれ、近年増えている働き方です。
フリーエージェントになる人は若いころからコツコツと自分の能力を磨いています。たとえばプログラミングの高いスキルがあって、常にその知識をアップデートしている人であれば、仕事を任せたい会社はたくさんあります。
名指しで仕事が来るようになれば、不本意な異動や人間関係をガマンしてまで会社に縛られる必要がなくなります。
努力して「フリーなスペシャリスト」の立場を勝ち取った人がボボズというクールな生き方を実現しているのです。
3つの資本とは
橘さんは人が富を得るために必要なものとして「3つの資本」を定義しています。
- 人的資本:労働市場から富を獲得できる専門性の高いスキル
- 金融資本:お金や不動産を含む財産
- 社会(関係)資本:家族や友だちのネットワーク
超高齢社会を生き延びる方法=好きを仕事にする
人生100年時代の人生戦略は、いかに人的資本を長く維持するかにかかっています。そのためには、「好きを仕事にする」ことが唯一の選択肢なのです。60代、70代になっても人的資本を維持できるかどうかで、超高齢社会の格差はさらに拡大していくでしょう。私たちは「好きを仕事にする」以外に生き延びることのできない残酷な世界に投げ込まれてしまったのです。
引用)橘玲. 専業主婦は2億円損をする. 株式会社マガジンハウス.
超高齢社会を迎え人生100年になった今、生涯にわたって好きなことを仕事にすることが大切だと本書全体を通して橘さんは強くおっしゃっています。
橘さんは『「好きを仕事にする」以外に生き延びることのできない残酷な世界に投げ込まれてしまった』とおっしゃっていますが逆に好きなことを仕事にできた人には生きやすい時代が待っているといえるということでしょう。
日々の仕事や私生活に流され過ぎずに自分が好きなことはなんなのかを追求して人生を歩んで行きたいものです。
夫婦でBOBOSを目指すことを再確認
〝リベラルでカジュアルなお金持ち〟であるBOBOSを目指したいと感じる方は多いのではないでしょうか。
しかし私を含めこのBOBOSやニューリッチと呼ばれる立場を目指すには相当な努力が必要で、おそらく日本人の多くがマックジョブを選択している、甘んじている現状ではこのBOBOSを目指すのは難しいはずです。なにせ根底からの意識改革を行う必要があることは確実です。
私達夫婦はお互いが専門職であるということもあり夫婦でこのフリーエイジェントを目指しやすい立場にあると考えています。
BOBOSを達成するために私たち夫婦が選ぶ資本を充実させる方法としては、
- 自分のスキルを伸ばし続けることにエネルギーを使うこと(人的資本)
- 世界投資をふたりで続けること(金融資本)
- 家族や周囲の人と良好な関係を築くこと(社会資本)
これに徹していきたいと考えています。
まとめ
私たち夫婦はBOBOSを目指します。BOBOSの境地に達するためには新しいものを積極的に取り入れる。学び続ける。そして行動力が必要でしょう。私たち夫婦はそれぞれが専門職であるため恵まれています。
BOBOSを達成するためにはこれからも自分のスキルを伸ばすことに努める、金融資産を高めるために世界投資をコツコツと続けて行き日々お世話になっている方々に感謝して生活をして行きたいと思います。
ちなみに以前、病気になるなどして落ち込んだときの対処法について記事の中で出てきた3つの資本を参考に次のような記事を書いています。
最後に橘玲さんが書かれたオススメの本をご紹介して終わりにします。
この中でも『臆病者のための億万長者入門』は投資に興味を持っている方、すでに始めている方にとっても非常にオススメですよ。
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