リハビリ・健康

予防リハビリテーションに必要な視点について

はじめに

予防リハに必要な視点についてお話していきます。

まずこの介護予防の意味を調べてみたのですが厚生労働省が「健康で生き生きとした生活を支援することである」と定義しています。

これは

  • 日常生活を送る上で介護が必要な状態に陥ることを予防すること
  • 要介護状態にある方の場合は介護状態が重度化していくことを予防すること
  • 再び要介護状態に陥ることのないように再発予防を行うこと

を意味しています。

介護予防の3段階

まず介護予防は1次予防、2次予防、3次予防の3段階から構成されることを知っておく必要があります。

1次予防

まず一次予防ですが特に要介護状態となる健康上の問題がない状態における予防です。

私たちセラピストとしてはどのようにしたら高齢者の健康状態を維持・増進していくことに繋がるかを考えていく必要があります。

2次予防

次に二次予防ですが現状では要介護状態には陥っていないが、要介護状態におちいりうる健康上の問題を抱えている方に対する予防になります。

セラピストとしてはどのようにしたら健康上の問題を早い段階で発見し問題を改善していくことができるかを考えていくことになります。

3次予防

最後に3次予防ですが、既に要介護状態にあり、重度化を防いでいくための予防です。

したがって3次予防の段階で重要なことは、重度化に関わる健康上の問題へ対処していくことになります。

3次予防は施設や医療機関で行われているリハに該当します。

予防対象者と視点

予防リハの対象と予防リハと治療リハとの視点の違いについて見ていきます。

各予防段階の割合

この図は高齢者の健康度を表した図になります。

この図が示していることは、介護が必要な高齢者は高齢者全体の20%であって60%はいわゆる一般的な地域で暮らす自立高齢者そして残りの20%はかなり恵まれた健康状態の高齢者であることになります。

さらに病院に入院したり、施設に入所している高齢者は高齢者全体のわずか5%に過ぎないということです。

したがって3次予防の対象は高齢者全体の20%であり、残りの80%は1次予防ないし、2次予防に該当する高齢者なのです。

このことから医療機関や福祉施設で行われているリハビリは本当に一部の高齢者への予防と言えます。

ADLの捉え方の差

この図はADLを捉える視点について、自立レベルに必要な機能を示した図になります。

治療的なリハでは図の一番左の生命維持から始まり、真ん中の身体的自立に向かうような低いレベルから高いレベルに進めたアプローチを行っていきます。

一方、予防リハでは基本的な運動機能が備わっていることを前提としており、スライド中央から右の手段的自立・知的能動性・社会的役割といった高い生活機能のレベルから考えます。

したがって心身機能だけでなく社会参加や対象者を取り巻く環境へ視点を当てることも重要となります。

1〜2次予防も重要

これまでの話から医療機関や福祉施設に入っている高齢者は介護予防の段階でいうと3次予防の方々であること。

また3次予防の対象となる高齢者よりも1~2次予防に該当する高齢者がはるかに多いことを再確認しました。

それでは介護予防に携わるセラピストに必要な考え方について、もう少し具体的にみていきます。

 

行動変容ステージ

予防リハを行っていくにあたり、地域で暮らす高齢者に、自発的に行動をしていただけるように支援していくことが大切になってきます。

人間が行動を変えるまでには、5つの段階があります。

この段階の内訳は無関心期・関心期・準備期・実行期そして、維持期を通るとするモデルでこれを行動変容ステージモデルと言います。

このモデルは禁煙の研究から導かれたものですが禁煙に限らず介護予防を始め、さまざまな健康に関する領域で用いられています。

患者さんが次のステージに進むためには患者が現在、どのステージにいるのかを把握し、そこにあわせたアプローチをすることが必要です。

次からは各ステージの特徴と支援のポイントについてみていきます。

無関心期

最初に無関心期です。

この時期は6ヶ月以内に行動を変えようと思っていない時期で

  • リハビリに対して消極的である
  • なかなかやる気を出してくれない

といった患者さんはこの段階にあります。

無関心期では患者さんの意思を尊重しつつ信頼関係を築きながら慎重に働きかけることが大切です。

また行動を変える気持ちがない状態から、行動を変えようと思ってもらえるような知識や情報提供が必要になります。

関心期

次に関心期です。

6ヶ月以内に行動を変えようと思っている時期でリハビリには前向きなのに、なかなか動き出さない患者さんがおられるかと思いますが、その方は関心期にあると考えられます。

関心期の患者さんには、行動に移すための自己効力感を高める働きかけが必要です。

しっかり話に傾聴して受容・共感し信頼関係を築けるよう支援していきます。

「これくらいなら出来るかも」と思ってもらえるポジティブな目標を提案していきます。

 

準備期

そして準備期です。

時期としては1ヶ月以内に行動を変えようと思っている時期です。

準備期の支援のポイントとしてスモールステップ法があります。

この方法は一度に高い目標を設定するのではなく最終目標に向けた小目標をたて、段階・ステップを踏んで実施していきます。対象者がこれなら自分でも出来ると思える目標を設定することで行動に移しやすくなります。

例えば毎日1時間ウォーキングすることを目標とする場合一週目は5分、2周目は10分というように徐々に時間を延ばすように助言していきます。

実行期

次は実行期についてです。

時期としては行動を変えて6ヶ月未満の頃で、患者さんが頑張って行動を継続させている段階です。

ただ行動を始めたばかりですので行動が定着していません。

そこでセルフモニタリングを用います。

セルフモニタリングとは達成しようとする目標に向かっている自分の体調や気持ちの変化を観察し、記述する方法で例えばウォーキングを習慣にするという目標があるとします。

ただ単にウォーキングをするのではなく歩数計をつけたり、できれば毎日歩数を記録するなど自分で記録することで達成度が分かりモチベーションが高まって行動が継続されやすくなります。

維持期

最後は維持期です。

この段階は行動を変えて6ヶ月以上継続している時期です。

実行期で行った行動を習慣化する時期で行動が定着した段階です。

セラピストが促さなくても自発的に行動されます。

行動を継続するためには次もできそうだという自己効力感を高めることが大切です

例えば行動したことで理想の自分に近づけたり他の人から褒められたりといった良いことがあるとそれが強化因子になり、行動を続けようという動機づけとなります。

まとめ

介護予防活動を行っても実際に動きが楽になったり痛みが改善したりするまでにはだいたい1~2ヶ月くらいはトレーニングを続けないと効果を実感できないことが多いようです。

そのため効果を感じられるまでにセラピストが褒めたり活動にくること自体が楽しいなど、別の強化因子を用意することも介護予防活動を継続するポイントになるということはとても重要になることを今回の研究から知ることが出来ました。

 

 

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