はじめに
痛みをカンタンかつ効率的に取ることができるホールドリラックス(hold-relax)についてお話をします。
ホールドリラックスに関係する神経生理学的な内容や具体的な方法についてお伝えしていきたいと思います。
痛みを和らげる方法はたくさんありますよ!
痛みを緩和する方法はたくさんあります。ホールドリラックス以外にも・・・
- マッサージ
- ストレッチ
- 温熱療法(冷やす・温める)
- 牽引療法
などといった方法があります。
理学療法士はこれらの方法を用いて痛みに対しての治療をしていくわけですが、どのようにすれば痛みが楽になるのかを考えていく必要があります。
この中でも手軽にひとりで実施することができるホールドリラックスについてお伝えしていきます。
ホールドリラックスってなに?
生理学的作用
収縮後の弛緩という生理学の作用を用いた方法です。
この収縮後の弛緩は
- Ib抑制
- 自原抑制(腱器官の反射):かなり強い伸張が筋肉に加わったときに筋や腱がブチっと切れてしまうことを防ぐ生体反応のことです。腱にかかった張力が強くなると腱器官が刺激されているという信号を脊髄に送ります。脊髄に伝わった信号は同じ筋の運動神経の活動を別の介在神経を用いて抑制します。その結果筋肉が弛緩し筋肉の張力が弱くなるのです。
主にこれらの生理学的作用によって筋肉は弛緩するのです。
痛みに対してだけ有効なの?
これは痛みをやわらげることはもちろん関節の動く範囲を広げることにも有効です。
ホールドリラックスの方法
太ももの後ろの筋肉に対するホールドリラックス
太ももの後ろの筋肉に痛みや硬さがあるとして、これを緩和するための方法を手順に添いながら話を進めていきます。
(下の写真を参考にしてください。)
①まずは痛みが太ももの後ろにいつでるのかを改めて確認しましょう。
②出来る範囲で膝伸ばした状態で足が上がるところまであげます。
③あげたところでとめたら床に向かって足のかかとを下に降ろします。このとき痛みがない範囲で行うことがポイントです。
④筋肉がしっかり緩んだ状態で15秒ほど待ちます。(アフターディスチャージといって神経の興奮が鎮まるのを待ちます。)
⑤足をしっかりあげて痛みのない範囲であげます。
④⑤を繰り返します。
すると足が大きく上がるようになり、痛みも改善しているのがわかるかと思います。
ふくらはぎの筋肉に対するホールドリラックス
次はふくらはぎの筋肉の痛みを緩めましょう。ここではバンドを用いた方法をご紹介します。
①まずは痛みがふくらはぎにいつでるのかを把握してください。
②出来る範囲で膝伸ばした状態で絵のようにバンドを用いて足首を上げれるところまであげてみましょう。
③図のように足首をしっかりあげたところからバンドに向かって足首を下に動かすようにします。
ただこの時に実際に足首は動かないようにしてください。
また痛みがない範囲で行うことがポイントです。
20秒程度、力を入れます。
④筋肉がしっかり緩んだ状態で15秒ほど待ちます。(神経の興奮が鎮まるのを待ちます。
この神経の興奮をアフターディスチャージ(脊髄後発射と言います))
⑤再び足をしっかりあげて痛みない範囲で上に向け、そこから20秒程度動きの出ない範囲で足首を下に動かすようにバンドを押しましょう。
④⑤を繰り返します。
まとめ
ホールドリラックスで痛みを改善したり関節の動く範囲を広げる方法についてご紹介しました。
ここでご紹介した方法と全く同じように実施しなくても大丈夫ですので痛みを生じさせないようにだけ留意しながら、いち度試してみてください。
きっとあなたの足の痛みが楽になって動く範囲も広がることを助けてくれる有効な方法となるでしょう。
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