リハビリ・健康

関節が痛いときにチェックしておくべき血液検査の項目って?

はじめに

関節の痛みが強いときなど体に炎症反応があるときに着目すべき血液検査データについてわかりやすくお話していきたいと思います。

血液検査って何でやるの?

血液検査は生化学検査のひとつで血液や尿の中に含まれている電解質、酵素、タンパク質、糖などの成分を測定する検査をいいます。体が病気の状態にあるときにはそれぞれの基準値よりも増加したり減少したりします。

この特徴を利用して血液検査は病気の有無やその程度を判別するために実施するのです。

炎症があるときに注目すべき血液検査データ項目

炎症はケガなどによって生じた体の障害を修復しようとする生体反応のことでケガをした直後に体が赤くなって、腫れあがり、痛みがでて、熱をもつという誰にでも経験のあるものです。

体は怪我などによって体の組織が障害されたり感染することによって体の毒素を出しているときに炎症反応を起こします。これは体内に侵入した病原体が増えることを抑制し産生された毒素を全身へ広げないようにするための生体反応です。

これら炎症の有無や程度を血液検査から知ることができる検査項目をまとめて炎症マーカーと呼んだりもします。

これから代表的な炎症マーカーである白血球C反応性たんぱくについてご紹介していきたいと思います。

白血球数(WBC)ってなに

白血球はケガをしたり細菌感染など体に侵入することに対してからだを守る働きをしてくれる血液成分になります。血液中に含まれている白血球数を知ることによって病気の状態にあるかどうかを知ることができるのです。

ちなみにこの白血球は英語でwhite blood cell と呼びこの頭文字をとってWBCと検査項目には表記されることがほとんどです。

白血球の基準となる値は年齢によって変わりますが成人の場合は、4700-8700mm/μlとなっています。この基準値は生まれてまもない新生児や子どもでは成人より多めです。

細菌が体内に入ってきたときは、白血球の数が増えて細菌を白血球に取り込む(これを貪食という)ことで細菌を攻撃し細菌を無害化します。この過程で生じるのが先ほどの赤くなって、腫れあがり、痛みがでて、熱をもつといった炎症反応です。

白血球数が増加している場合には、感染によって細菌が体内に侵入したと考えられます。ケガをしていないのに白血球数が増えた場合は肺炎、虫垂炎などの何らかの炎症が体に起こっていることが疑われます。また、白血病などで骨髄が異常増殖を起こした場合も白血球数は著しく急増します。

この白血球はかなり高強度のスポーツをしたり生理などでも数値が高くなます。また喫煙者も気管や気管支が慢性の炎症を起こしてしまい白血球数が増える傾向にありますので喫煙状況についても合わせて考慮に入れ炎症に影響がないかも考えていく必要があります。

逆にいうと何らかの原因でこの白血球の数が減ってしまうと体の細菌などに対する防御反応が弱くなってしまい細菌に感染しやすくなってしまいます。たとえば白血球数が1000mm/μl以下程度にまで大きく減少してしまうと敗血症を起こすリスクが非常に高くなるため無菌室での治療が必要になります。薬剤の副作用で白血球が減少してしまうこともあるため内服している薬の確認も必要です。他にも抗がん剤治療の副作用や薬剤アレルギー、肝硬変、再生不良性貧血などでも白血球数は減少します。

したがって白血球は炎症反応だけに反応して数値が高くなるものではありません。特にご高齢の方は感染症を起こしてもこの数値が上昇しないケースがあるため、次にご紹介する炎症マーカーであるC反応性たんぱくと見比べて考えていく必要があります。

C反応性たんぱく(CRP)ってなに?

C反応性たんぱくは人体内で炎症性の刺激や細胞の破壊が生じると急激に増加してくるタンパク質成分であり炎症の発生の有無を示す指標になります。このC反応性たんぱくは健康な人の血中にはほとんど存在しない物質で正常値は0.45mg/dL以下(0.3mg/dL以下)となります。C反応性たんぱくを英語でいうとC-reactive protein といいこの頭文字をとってCRPと表現します。

 

体の組織の損傷が生じると白血球の一種であるマクロファージなどの免疫系の細胞がサイトカインを生み出します。このサイトカインが肝臓を刺激することによってC反応性たんぱくが血液中に放出されるという仕組みになっています。

必ずしも炎症の有無だけで上昇したり低下したりするわけではない白血球とは違って、このC反応性たんぱくは体の炎症状態をダイレクトに表す指標になります。

炎症は細胞の破壊や壊死をもたらし炎症が強いほどC反応性たんぱくも増加します。したがって細胞組織の損傷や壊死などが生じている可能性が考えられます。

また細胞組織の損傷や壊死などを引きおこすケガなどを負っている場合もC反応性たんぱくの数値が上昇します。

他にもC反応性たんぱくが高くなる原因として考えられるものとして普通の風邪であってもC反応性蛋白が反応しCRP値の上昇が認められる要因としてはガン(悪性腫瘍)、ウイルス性感染症、細菌性感染症、心筋梗塞などでも高値となるため様々な疾患の可能性を検討する指標として用いられております。

ただ低栄養、肝障害の状態にあるときには炎症が生じていてもCRPの値が上昇しにくいため間違った判断しないよう注意が必要です。

白血球数やC反応性蛋白以外の炎症マーカーって?

白血球は細菌や異物を食べることにより(貪食:どんしょく)サイトカインという物資が産生されます。このサイトカインはIL-6(インターロイキンシックス)TNF-α(ティーエヌエフアルファ)といったものになります。

他にも先ほどご紹介したC反応性たんぱくに加えフィブリノーゲンαアンチトリプシンなどの蛋白(たんぱく)も産生されるため、これらの値もあわせて知ることが大切になってきます。

他にも細菌性感染症の診断に有用なプロカルシトニン(PCT)というものもあり、これはC反応性たんぱくよりも反応やピークに達する時間が早いという特徴があります。

同じ炎症マーカーなのに白血球数は正常なのにC反応性たんぱくが高かったりするのはなぜ?

これは白血球とC反応性たんぱくの特徴の違いから生じるものです。

白血球数はC反応性たんぱくと比べ炎症が生じるとすぐに上昇し炎症がおさまるとすぐに低下します。

それに対しC反応性たんぱくは体内が炎症状態になってから6時間という時間をおいて急激に血中量が増加する特徴を持っております。さらにC反応性たんぱくは48時間(2日)で血中量がピークに達し低下は炎症の回復よりも1〜2日遅れます。

ただ腎障害があると、炎症が回復してもなかなかC反応性たんぱくの値は低下しません。この理由としてC反応性たんぱくは腎臓からおしっこと一緒に排泄されるため腎機能が悪いと排出されにくくなることが原因です。

まとめ

体に痛みが生じるなど体が炎症状態にあるときは白血球やCRPの値に着目することは重要です。

しかしたとえ白血球数やC反応性たんぱくの値が正常であっても必ずしもその数値が妥当に体の炎症の程度を表しているとは限らないということでもあります。

したがって関節の軽い炎症ぐらいではC反応性たんぱくなどの値は高くならないことも多いため炎症マーカーの値が基準値内にあるからといって無理して体に負担を掛けることは禁物になります。

血液検査のデータのみで判断するのではなく自分自身の体の声に耳を傾けてあげることが何よりも大切ということです。

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コメント

    • nappon3
    • 2017年 8月 13日

    なるほど!!再度勉強になりますな!!

      • 井上 たかひろ
      • 2017年 8月 13日

      いつも読んでくださりありがとうございます!
      僕も書いてて勉強になります。

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