整形外科疾患を持つ患者さんのご家族からのご質問
整形外科疾患の患者さんを持つご家族から、
「いつまでリハビリを続けるべきか」
というご質問をいただいたことがあります。
整形外科疾患にかかわらず患者さんやそのご家族だったら誰もが悩んでしまうところではないでしょうか?
いつまでリハビリを続けるべきかについて健康保険が効く期間やリハビリが実施できる期間などは考慮せずにいうと、
現在の立ち上がったり歩いたりするような動作能力が自身の目標に達しているか?
というところは自分自身でも最低限確認しておきたいところです。
何となく症状が良くなったからと自分自身で深く考えないままリハビリを終了してしまうと後々後悔してしまう可能性があります。
自分自身の目標が到達できるものか?
ここは担当医や理学療法士にある程度症状が落ち着いてきたら確認しておきたいところです。
例えばあなたが「2ヶ月で歩けるようになるか」と質問した場合とすると…
「2ヶ月後に何も持たずに歩けるようになるのは難しいが杖を持ったら歩けるようになると思いますよ」
などと病気と現在の動作能力から考えて到達の可能性のあるゴールは教えてもらえるでしょう。
ただリハビリの予後予測は整形外科疾患に限らず患者さんと一緒にある程度リハビリをすすめていかないと明確に目標に到達できるかの判断(予後予測)が難しいというのが正直なところです。
リハビリが終了したとしても現在の動作能力を維持できるか?
またもう1つ考えていただきたいのがリハビリが終わっても現在の動作能力を維持できるのかということです。
「ある程度歩けるし家に帰ったらたくさん歩くから別に心配いらないよ」
とおっしゃる患者さんも中にはおられます。
これは半分正解で半分マチガイであると個人的には思います。
なぜ歩くことがリハビリにならないのか?
もちろん歩くことは大切なことです。
ずーっと座ったままでいるんだったら歩いた方が体にいいでしょう。
ただ病気の後遺症などにより痛みや麻痺がある状態で歩くとなると体の力の使い方が偏ってしまい腰や膝など体の特定の部位にストレスがかかり易くなります。
そうなると怪我や病気をするまで問題がなかった部位が痛くなったり体を思うように動かせなくなったりするなどの弊害が生じやすくなるのです。
本来であればこういった弊害とは無縁に付き合っていけるだけのポテンシャルを体が持っている方も多いのにもったいない話です。
関節の動きや体の力の入り方が偏った状態でいくら歩く練習を頑張ったとて体に良い影響を及ぼすばかりではありません。
それでは新たに体の痛みなどの障害が出てこないようにするにはどうすればいいでしょうか。
それはあなたにとって本当に必要な関節の動きや力をつけてくれるトレーニングが必要になるのです。
できる限り自宅でできるトレーニングメニューをリハビリが終わってからも続けていくことが大切になります。
リハビリ終了後の自主トレーニング
どんな自主トレーニングを行うべきかは患者様の症状により大きく異なります。
したがってリハビリ中に担当している理学療法士に確認しておきましょう。
リハビリを行っている間に教えてもったリハビリプログラムをある程度マスターしてリハビリを終了できたらいいですね。
そしてリハビリ終了後もできる限り自主トレーニングは続けていきましょう。
まとめ
患者さんからふといただいたご質問を思い出し書いてみました。
自主トレーニングというのは現在の動作能力を維持・改善するだけではありません。
自分の体と向き合う機会にもなる
のです。
したがってコツコツ続けていくことがとても大切になりますよ。
この記事へのコメントはありません。