リハビリ・健康

骨盤の後傾などの座り方を変えると痛みがなくなるかもしれません!!

はじめに

あなたは自分自身が座る姿勢がどんな姿勢になっているかを意識して考えたことはありますか?

私が日々の臨床で出会う腰痛を訴える患者さんの多くが背中が曲がった猫背での座位姿勢です。

ただひとことに「背中が曲がっている」といっても曲がり方にも色んなタイプがあります。

私が臨床をしていてよく出会う背中が曲がった座位姿勢をいくつか例にあげてなぜ背中が曲がっていると腰やその他の部位が痛くなるのかについてお話していきたいと思います。

 

腰の痛みを訴える人によくある猫背の座位姿勢を紹介するよ

座っている姿勢を横からみた図になります。

普段臨床で患者さんをみていて多いなと思う順番に猫背での座位姿勢を左側から並べています。

右下の⑤が腰に負担のかかりにくい正常な座位姿勢になります。

ちなみに背骨は下の図のように健康な状態でも横からみると緩いS字カーブを描いて曲がっています。

(これを生理的前弯(ぜんわん)・後弯(こうわん)と呼びます。)

次に骨盤が後ろに倒れているか骨盤が前に倒れているかで大きく分けてそれぞれの骨盤と背骨(脊柱)との関係をみていきたいと思います。

骨盤が後ろに倒れている(骨盤後傾)

①骨盤が後方に倒れ背骨も全体的にS字カーブを描くことなく大きく曲がっている

②骨盤が後ろに倒れ背骨は大きなS字カーブを描いている。
*実際は①②の骨盤が後ろに倒れた状態の方がほとんどです。

骨盤が前に倒れている(骨盤前傾)

③骨盤が前に倒れ背骨は大きくS字カーブを描いている。

④骨盤が前に倒れ背骨はS字カーブを描くことなく大きく同じ方向に曲がっている状態。

姿勢がよくないと腰が痛くなる?

これは腰だけに限った話ではありませんが姿勢が良くないと身体に痛みを起こしやすくなります。

なぜなら悪い姿勢はカラダにかかるストレスが偏って生じてしまい、カラダにかかるストレスが偏ることによって痛みがでてしまうからです。

たとえば先ほどご紹介した、いち番左側の座位姿勢でいうと骨盤が後ろに倒れる(後傾)ことによって腰へのストレスがかかりやすくなります。

私たちの身体にはコアマッスルと呼ばれる背中が丸くなったりのけぞったりしていないときに働く体幹を安定させる筋肉があり、これらの筋肉は体幹から骨盤の深層に存在します。

おそらく健康について興味がある人は聞いたことがあるかもしれませんが座位姿勢をはじめとした姿勢を安定させるために、とても重要となる筋肉がこのコアマッスルなのです。

コアマッスル(core muscle)ってなんなの?

コアマッスルの定義は文献や提唱する人によって異なってきます。

したがって比較的コアマッスルとして呼ばれることの多い多裂筋・腹横筋・横隔膜・骨盤底筋群の4つの筋(群)を今回はピックアップしてご紹介したいと思います。

多裂筋

背中が曲がっている状態ではこの多裂筋には力が入らなかったり逆に伸長されることによってストレスがかかってしまい痛みの原因になります。

腹横筋


腹横筋は体幹を広く覆っている薄く大きな筋肉になります。

横隔膜

こうやって斜め下から横隔膜をみてみるとまるでシイタケやカサのようにも見えませんか?

私が始めて学生のときに腹横筋を解剖学の本で見たときはシイタケのようだと思いました。

 

 

いずれにしても面白い形をしていますね。

横隔膜を横や上から見るとこのような形をしています。

ちなみに息を吸う(吸気)とこの筋肉が下にさがり胸の部分(胸腔)が陰圧となることで肺に空気を送り込むという仕組みでヒトは呼吸しているのです。

骨盤底筋群は英語でペルビックフロア(pelvic floor muscles)と呼ばれます。

これは日本語にすると「骨盤の床」です。

骨盤の床という直訳の名の通り骨盤底筋群は骨盤の底の部分を中心に覆っている筋肉になりここに体重がのっかると他のコアマッスルに力が入ります。

骨盤底筋群に体重をのせるときのポイントとしては普段はやや後ろに体重がかかっている座位姿勢の方が多いので少し前に体重を乗せてあげるようにしてあげてください。

また骨盤底筋群は深会陰筋・尾骨筋・外尿道括約筋・外肛門括約筋の総称になります。

深会陰筋

尾骨筋

外尿道括約筋

 

外肛門括約筋

 

下の図で表しているようにこのコアマッスルで囲まれた体幹と骨盤帯が円柱状になった姿勢が理想です。


しかし腰部痛のある患者さんの多くは背中が曲がってしまったり仰け反ってしまいます。

すると身体を安定させるための筋肉であるコアマッスルが働かなくなり、身体のほかの部分に過剰にストレスがかかってしまい腰部痛などを生み出すわけです。

また痛みがあるとコアマッスルの働きが弱くなってしまい逆にそのほかの筋肉に過剰な負担がかかります

このようなメカニズムによって腰部を初めとしたカラダのいずれかに疼痛が起こるケースが本当に多いと患者さんを見ていて思います。

コアマッスルを働かせるためにはどうすればいいの?

たとえば肘を曲げたり伸ばしたりすることは健康な方がやろうとおもえば簡単に出来ると思います。

しかしコアマッスルは肘(ひじ)を曲げたり伸ばしたりするように自分で意識してコントロールできるものではありません。

このコアマッスルの収縮を促すためには先ほどもでてきた骨盤底筋群(pelvic floor:骨盤の床)をイメージしながら体重を乗せてあげることです。

ここに体重がのると多裂筋、腹横筋、横隔膜といった他のコアマッスルも収縮し体幹が安定してきます

体幹が安定すると姿勢が改善し腰にかかる負担が減って痛みから解放されることはもちろん立ったり歩いたりといった基本的な動作もかなり効率的に行えるようになるため動きやすくなります。

ですので先ほどご紹介した骨盤底筋群の図をイメージしながら骨盤底筋群に体重を乗せることが非常に大切です。

そして骨盤底筋群に体重が乗ってきたら背筋を伸ばすようにしようとすると思いますが少し待ってください。

単純に背中を伸ばそうとしても土台となる骨盤が前や後ろに傾いた状態で体を起こそうとしても体幹は前や後ろに倒れてしまい良い姿勢はどれだけ頑張ってもなかなか取れないことでしょう。

そこで頭のてっぺん(頭頂部)を天井に近づけるように意識してみてください

そうすることで体幹はまっすぐ起きてきます。

いずれにしても先ずは骨盤が過度に前や後ろに倒れたりはせず、ほぼまっすぐな状態に整えてあげることが重要なのです。

片脚を引いた座位姿勢のススメ

椅子に座るとどうしても骨盤が後ろに倒れて(骨盤後傾)しまいがちです。

骨盤が後ろに倒れるとその上の背骨も大きく曲がってしまうことはこれまでにお話しした通りです。

ですがなかなかオフィスや学校といった普段の生活の中では自分の体にあった椅子を選んで座ることができず骨盤が後ろに倒れた猫背の状態で仕方なく座っているのではないでしょうか。

そんな時にオススメなのが上の図のように右でも左でもどちらか一方の足を後ろに引くことで骨盤が後ろに倒れるのを防ぐ座り方です。

これは良い座位姿勢をとるためには本当に有効な方法ですのでぜひお試しください。

まとめ

座位姿勢と体に生じる痛みは強い関係性があることを悪い姿勢を例に挙げてお伝えしてきました。

悪い姿勢は痛みを生じさせるだけでなく立ち上がったり歩いたりといった動作もやりにくくなるという大きな悪影響をも体に及ぼします。

そのため体幹の安定性を大きく高めてくれるコアマッスルの活動を促すことで体幹に力が入り姿勢が改善しカラダにかかるストレスが減少します。

この仕組みによってあなたは体の痛みから解放されるのです。

あなたも骨盤底筋群に体重を乗せる座位姿勢を心がけることでコアマッスルを働かせより良い座位姿勢を手に入れ辛い痛みから解放されましょう!

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