リハビリ・健康

 

小脳橋角部の腫瘍の症状とリハビリ

はじめに

脳には小脳橋角部というところがあります。

ここに腫瘍ができた場合の症状や動作に対する影響、そしてリハビリについてお話していきます。

その前に小脳橋角部ってそもそもどこにあるのか、また腫瘍とはどのようなものをいうのかを簡単に説明していきます。

そもそも小脳橋角部ってどこ?

小脳橋角部は下の図のように後頭部の下半分に存在します。

このうち小脳橋角部は、

  • 小脳
  • 脳幹(細かくいうと脳幹の中でも橋(きょう)と呼ばれる部分になります。)

この2つから構成されています。

小脳と脳幹(橋)から形成される部分を小脳橋角部と呼びます。

大まかな小脳と脳幹(橋)の役割をお話します。

小脳は人間のバランス感覚などを制御しています。

また脳幹は呼吸のコントロールなど生命維持装置として働いています。

この小脳橋角部は脳幹から枝分かれする重要な脳神経が通っているうえに腫瘍ができやすいという特徴があります。

小脳橋角部に腫瘍ができたときの症状

この小脳橋角部に腫瘍ができたときにみられる症状として、

  • 顔面麻痺(顔の動きにくくなる)
  • 顔面の感覚障害(感覚がわかりににくくなる)
  • 難聴
  • 耳鳴り
  • めまい
  • 嚥下困難(飲み込みにくくなる)

上記のような症状がみられることがあります。

腫瘍=ガンではありません

腫瘍というとガンを思い浮かべる方が多いと思います。しかし腫瘍=ガンではありません。

腫瘍はいわゆるおでき(ポリープ)の総称になります。

このおでき良性のものと悪性のものに分けられます。

このうち悪性の腫瘍がいわゆるガンになります。基本的には治療を行わないと体に害を与えるものがガンとよばれるわけです。

それでは良性腫瘍と悪性腫瘍(ガン)はどうやって見分けるのでしょうか。

ポイントとしては、

  • 増殖のスピード
  • 形状
  • 浸潤

の3つのポイントから見分けることになります。

これから詳細を説明します。

増殖のスピード

悪性腫瘍、つまりガンは一般の細胞より増殖するスピードが早く良性腫瘍と異なり、まわりの組織を巻き込んで広がっていきます。

悪性腫瘍が急激に増えると正常な細胞に栄養や酸素を供給することができなくなり腫瘍部分以外にも悪影響が及びます。

腫瘍を放置すれば腫瘍が大きくなってしまい症状が進行する可能性があります。

もちろん進行しない可能性もありますが、今の医学では進行するかどうかについての判断はできません。

形状

良性腫瘍は、腫瘍の境界線が滑らかで形も球体など整っています。

それに対し悪性腫瘍は境界線が不明瞭で形状がギザギザなど不均一に見える特徴があります。

これは悪性腫瘍が一般的な細胞とは異なり、規則的ではない増え方をしてまわりの組織を侵していくためです。

浸潤

がん細胞のもう1つの大きな特徴がこの浸潤(しんじゅん)になります。

浸潤とは、ガン細胞が周囲の組織や臓器に入り込み広がっていくことをいいます。

怖いのがガン細胞が筋肉や骨にまで広がっていくという転移を引き起こし、全身に広がってしまうことです。

この浸潤は良性腫瘍ではみられない現象です。

がん細胞は独特の硬さがあり正常な細胞に比べ硬いのも特徴です。

ただ硬ければ必ずしもガンというわけではありません。

石のように硬く石灰化した腫瘍は良性の場合があります。

良性腫瘍でも手術をするのは…

良性のおでき(腫瘍)であっても今回のテーマである小脳橋角部にできた腫瘍は図のように顔面神経三叉神経圧迫します。

すると耳が聞こえにくくなったり顔が動きにくくなったりします。

そのためガンでなくても手術が行われることがあるのです。

 

小脳橋角部の手術とリハビリ

手術

小脳橋角部は頭に存在するため手術は開頭術になります。

腫瘍が大きくなるほど大きな手術となりますので重い後遺症が残りやすくなります。

合併症

代表的な合併症としては、顔面神経麻痺(顔面が動きにくくなる)と耳が聞こえにくくなる症状です。

リハビリ

理学療法士や作業療法士、言語聴覚士によるリハビリは医師が必要と判断すればリハビリが実施されます。

また小脳から脳幹部を手術するため失調と呼ばれる症状を生じることがあります。

この失調症状とは具体的には手や足などを動かすときに必要以上に大きく動かしてしまうこと。そして動かすスピードを調節できず症状やバランスが取りにくくなることです。

また手術によって脳を栄養している動脈を損傷した結果、脳梗塞を生じてしまうこともあります。そのため手術したあと手足に麻痺を生じてしまうことがあります。ほかにも触れたり足を動かしてもわからなくなるといった症状である感覚障害を生じる患者さんもおられます。

したがって理学療法や作業療法でのリハビリでは疾患だけにとらわれず全体的な動作能力を評価しどのようなプログラムで治療していくかを考えます。

そして関節の動く範囲を広げるために関節可動域運動を行ったり、筋力が低下した筋肉や運動麻痺が生じてしまっている筋肉にたいして筋力トレーニングを行います。

そして動作に対する練習をすすめていくような流れになります。

また言語聴覚士による訓練では、嚥下(えんげ)訓練といい食物の咀嚼や飲み込みの練習を行います。

他にも構音障害といい口の動きが悪くなり会話が難しくなった患者さんに対する介入が行われます。

リハビリではこれらの基本的な機能の改善に対するアプローチが行われます。

まとめ

小脳橋角部に腫瘍ができた場合の症状や手術そしてリハビリについてお話してきました。

ここでご紹介した内容はあくまでも一般的なものであって症状や必要なリハビリのプログラムは患者さんによって異なるため患者さんの症状に合わせた治療を行っていきます。

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