はじめに
患者さんの多くは、
- リハビリをしたら絶対に痛みがなくなりますか?
- このままリハビリを続ければかならず歩けるようになりますか?
と不安を持ち心配される方がおられます。
これは当然のことです。普段の生活に支障をきたすわけですから。
しかし残念ながらリハビリすることで、
- 「必ずよくなりますよ」
- 「痛みが絶対になくなりますよ」
ということは、なかなか言い切れない。
というのが本当のところです。
もちろん「この程度までは改善するでしょう」ということは診断名や発症日、そして経過などから予測してお伝えすることはできます。
しかし人の体は機械ではありませんので「絶対」という保証はできないのです。
痛みが改善するかはリハビリしてみないとわからない
例えば歩くときに膝の痛みを強く感じる方が病院を受診します。そして医師からリハビリを処方され理学療法士によるリハビリを始められた方がいたとします。
しかしリハビリに何度通ってもなかなか痛みが改善しない。
膝の痛みがなかなか治らないので不安を感じる気持ちが強くなってしまう。
徐々に医師や理学療法士に強い不満をうちに秘めててしまうといった方がおられます。
このように感じた場合は直接、医師や理学療法士に感じていることを伝えてください。
実際にどこまでその膝の痛みが良くなるかどうかは私たち理学療法士が患者さんの状態を評価してリハビリをして経過を追っていかないとわからないものです。
理学療法士にとって患者さんが伝えてくれる痛みの有無などの情報は、リハビリを進めて行く上での非常に重要な材料になるのです。
不安が強くなるほど絶対を求めてしまう心理
体に痛みがあると、
- このまま動けなくなったらどうしよう
- 仕事に行けなくなったらどうしよう
- 趣味のダンスができなくなったらどうしよう
などたくさんの不安が頭を悩ますことでしょう。
この不安が頭をよぎると「この痛みが治らないと何もできなくなってしまう」と不安が強くなってしまう。
この負のループに陥ってしまう方が多いように感じています。
この負のループに陥ると、
- 不安が強くなってしまとさらに不安が大きくなってだんだんとやる気が起こらなくなってしまう。
- 自分や周囲を責めてしまう。
という事態に陥る方が多いです。
理学療法士などに痛みなどの症状が改善しないことを伝えよう
ある程度リハビリを継続しても痛みなどの症状が改善しない場合は、正直に患者さんの口から医師や理学療法士に伝えることが大切です。
患者さんの症状が改善しない場合、理学療法士はリハビリの見直しをするように教育されています。
ですから「痛みの生じる原因に見落としがないか」を考えてくれます。
そこは遠慮せず恐れずに直接担当者に伝えてみることがとても大切です。そして、
- 理学療法士に教えてもらった自主トレーニングは必ず実施する。
- 普段の体の使い方に注意をしてみる。
あとは少し気持ちに余裕を持って症状がある中でどうしたら今の生活や自分がやりたいことを続けていけるかを見つめなおしてみてください。
身体に生じている症状とうまく付き合いながら生活して行くイメージを持つことが大切なのです。
まとめ
このまま痛みが治らなかったらどうしよう…。と思うと
「必ず良くなりますよね?」と担当している理学療法士に聞きたくなる気持ちはよくわかります。
そしてそれを訪ねることも決して悪いことではありません。
なぜならその気持ちは症状を改善したいという気持ちの表れですから。
ただ確証を得ようとするあまり、さらに不安になってしまうのはでは自分で自分をしんどくしてしまうだけです。なんだかもったいないですよね。
理学療法士による治療を受けた上でさらに不安になったら、頭の中でいろいろ考えるのではなく指導された自主トレーニング行ったり、普段の体の使い方に注意してみるなど、
- 行動してみる
ことが非常に大切になるのです。
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