炎症とは怪我や感染症により組織が障害されたときに最近などの有害因子を排除し組織を修復するために起こす生体の治癒過程のことです。
炎症の5徴とは…
- 発赤(rubor)
- 腫脹(tumor)
- 疼痛(dolor)
- 熱感(calor)
- 機能障害(functionalists lesa)
この5つをいいます。
5徴から機能障害を除いたものを炎症の4徴ともいいます。
- 発赤:局所の血流増加
- 腫脹:滲出液が血管外に染み出す
- 疼痛:ケミカルメディエーターなどによる
- 熱感:局所の血流増加
- 機能障害:ケミカルメディエーターなどによる
過去の国試の問題を振り返ってみましょう。
急性炎症の初期にみられないのはどれか
1、発赤 2、腫脹 3、疼痛 4、熱感 5、拘縮
47回 生理学
この問題の回答は5の拘縮ですね。
可動域制限である拘縮は炎症の兆候には含まれません。
次の問題です。
急性炎症と比較したとき、慢性炎症の特徴で正しいのはどれか。2つ選べ
1、血漿蛋白の滲出 2、血管内皮細胞の損傷 3、好中球の集積 4、組織の繊維化 5、血管の増殖
42回 生理学
正解は4、5です。
慢性炎症とは炎症が長期間持続したものをいいます。
「組織の繊維化」は「瘢痕の形成」と同義です。
1〜3は急性炎症で見られ3に関しては急性炎症の細菌感染時に生じます。
炎症の仲介物質の作用で正しい組み合わせはどれか。
1、ヒスタミンー血管透過性の亢進
2、セロトニンー発熱
3、ブラジキニンーマクロファージの活性化
4、ロイコトリエンー疼痛作用
5、プロスタグランジンー白血球の活性化
第44回生理学
回答は1です。
ヒスタミンはⅠ型アレルギー・アナフィラキシーに関与。血管透過性を亢進し浮腫を生じさせ平滑筋を収縮させます。
セロトニンは止血や腸管運動亢進
ブラジキニンは血管透過性亢進、痛みの亢進
ロイコトリエンは白血球遊離・活性化・血管透過性亢進
プロスタグランジンは血管拡張、気管支平滑筋収縮させる
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