キャッシュフロー・クワドラント
ロバート・キヨサキ氏の『金持ち父さん貧乏父さん』を読んだことのある方は多いでしょう。
1997年に刊行されてから世界で3000万部以上売れている大ベストセラーです。
本書の中でキャッシュフロー・クワドラントという概念が紹介されています。
キャッシュフロー・クワドラントとは下の絵のようにお金を得る方法を4つのタイプに分類したものです。
日本人の大半は雇われることによって給与収入を得ていますので左上の従業員に属する方が大半です。
従業員と同じく自らが働いて収入を得る立場にあるのは自営業者ですね。
右側の権利収入を得る立場にあるのはビジネスオーナーや投資家であることがわかります。
労働収入は自らが働いて収入を得るのに対して権利収入は自分ではなくお金に働いてもらって収入を得るという点でそれらは似て非なるものです。
最近では色々な働き方が増え、雇われて給料を得ながら自営業をされている人もいます。
また国が促しているiDeCoやNISAという税制面で有利な口座ができたこともあり従業員として働きながらも投資家である人は増えています。
一昔前に株式投資を始めようと思うと証券会社に出向いたりそもそも情報を得にくかったりでハードルは高かったようですね。
しかし今ではパソコンされあれば簡単に投資用の口座を開いて投資ができてしまう時代。
つまり誰もが簡単に投資家になれる…。
このように思っていたのですが、
「投資をしているからといってみんながみんな投資家とは呼べないのではないか?」
と最近よく思うのです。
良い悪いの話ではありませんが投資家といえども「自ら働き労働収入を得る立場の自営業者に近い人」も多く存在すると思うのです。
それはどういうことか。これからお話しして行きます。
短期投資はギャンブル
投資期間の分類としては、
- 長期投資
- 中期投資
- 短期投資
大きくこの3つに分けられることが多いようです。
それぞれの期間に明確な定義はありませんが…、
- 短期投資=投資期間が1ヶ月未満のもの
- 中期投資=1ヶ月以上5年未満
- 長期投資=5年以上
と仮定した場合に短期・中期投資の投資家は権利収入を得ている投資家というよりも労働収入を得ている自営業者に近いのではないかと私は思うのです。
なぜなら頻繁に投資の売買のタイミングを見計らい神経を使いながら売買を繰り返す行為は労働そのものだからです。
そもそも投資期間が短くなればなるほど投資による利益を得ることの再現性が乏しくなるためギャンブル的側面が大きくなります。
誤解を恐れずにいえば、
短期投資は投資ではなくギャンブル
といえるでしょう。
ジタバタすると利益は出ない
デイトレーダーやFXのように頻繁に売買を繰り返すことによってお金を大きく築き上げる手法も確かにありますし世間で投資といえば長期投資よりもこちらの方が有名でしょう。
そもそもインデックス投資は長期で保有してこそ威力が発揮できる商品であるのにもかかわらず頻繁に売買する人もいますよね…。
決して頻繁に売買する手法を否定はしません。
なぜなら頻繁に売買を繰り返すことによって巨額の富を得る人も非常に少ないながらもいるからです。
しかし短期間の投資で利益を得ようと思うと仕事中、休みの日、友人といるときに限らず常に情報をキャッチし売買のタイミングを計る必要がでてきます。
私が推奨しているインデックス投資でも頻繁に評価額をチェックしたり相場の上下の動きを追いかけ回していたらそれは「権利収入を得る投資家」ではなく「労働収入を得る自営業者」になります。
それに短時間で大きなお金を得た場合はすぐに失ってしまいやすいものです。
逆にゆっくり得たお金は失いにくい。
例えば資産1億円を貯めようと考えている人がいたとします。
その人が1億円を早く手にしたいと焦った結果あまりにもハイリスクな投資を行おうとすると逆にお金を逃してしまうことになりがちです。
まとめ
投資家というのは最適解に近い投資手法を長期的少なくとも生涯にわたって同じ手法をじっくりと続ける心構えのある人だと私は考えます。
本書の言葉にも合った「お金のために働くのではなくお金が自分のために働いてくれる」という状況を作り出すには長期投資を実践し続ける必要があるのです。
そう考えるとバイ&ホールドのスタンスを貫き通せる人こそが真の投資家であるといえるでしょう。
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