セラピストになって日々患者さんの治療をするようになり何年も経つようになるとついつい解剖や生理学から疎くなってしまっている自分に驚きます。
手始めに皮質脊髄路(錐体路)について手書きで絵を書いてみました。
私は絵を書くのが苦手ですが妻すーさんの真似をしたくなったのです。
そして何より自分で手書きをすることでよりイメージがしやすくなるだろうと思ったんです。
皮質脊髄路とは大脳皮質からの随意的な運動を伝える経路です。
ここが障害されると
- 痙性麻痺
- 腱反射亢進
- 病的反射陽性
- 表在反射の減弱
これらの現象がみられる可能性があります。
錐体路には前皮質脊髄路と外側皮質脊髄路があります。(皮質核路(皮質延髄路)も錐体路に含まれるのですが…)
外側皮質脊髄路は錐体交差で(諸説ありますが80〜90%)が交差します。例えば脳の右半球に障害があるのに左側に麻痺などの障害が出るのはこのためです。
残りの10〜20%の前皮質脊髄路はそのまま交叉せずにストンと降りるのがポイントです。
臨床ではついつい麻痺側ばかりに目が行きがちですが非麻痺側にも麻痺の影響が多かれ少なかれ生じている可能性があることは押さえておきたいところですね。
錐体路以外にも運動に関与する下行性伝道路はいくつもあるのですがひっくるめて錐体外路と呼びます。
その錐体外路の中には網様体経路という下行性経路が存在します。
錐体路は錐体交叉で大部分が交叉するため損傷した側と反対側が麻痺するのですが網様体経路は同側支配です。
つまり左脳が損傷された右麻痺の人であっても右側の網様体経路は生きているためリハビリではこの残った経路を生かして治療を進めていきます。
随意運動に関与しなのはどれか。
1、小脳
2、内包
3、大脳脚
4、視床下部
5、中心前回
第49回64
正解:4
視床下部は自律神経を司ります。
大脳皮質の中心前回は一次運動野です。
外側皮質脊髄路について正しいのはどれか。2つ選べ。
1、後索を通る
2、延髄で交叉する
3、運動前野からの投射線維を含まない
4、脊髄で前角細胞にシナプス結合する
5、上肢に対応する線維は下肢に対応する線維よりも脊髄では内側に走行している
第47回A54
正解:2、4
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