統合失調症を疾患や既往歴に持つ患者さんには日々臨床をしているとときどき出会います。
それもそのはずで統合失調症の有病率は100人に1人くらいの割合であることがわかっています。
ですので決して珍しい病気ではありません。
発症のピークは男性で15-24歳、女性で25-34歳と若い人に多くみられる疾患です。
統合失調症に投与される薬の副作用にて薬剤性パーキンソンニズムを伴うことがあります。
パーキンソンニズムというのは錐体外路症状のことで固縮(筋強剛)や安静時振戦、小刻み歩行などがみられることがあります。
このようなパーキンソンニズムの程度によっては相当転倒するリスクが高まるため現在そして過去の転倒歴についてはしっかりと把握する必要があります。
薬剤製パーキンソンニズムがひどく日常生活に支障をきたすレベルである場合は薬の調整が可能かもDr.に上申する必要があるでしょう。
統合失調症の症状には陽性症状と陰性症状があります。
陽性症状とは通常みられない精神症状です。
- 幻覚
- 妄想
- 緊張病症状
- 滅裂思考
陰性症状とは通常みられるべき精神機能が低下あるいは欠損した状態
- 感情平板化
- 自発性低下
- 思考の貧困化
また統合失調症は発症年齢が低い場合は予後が悪く、早期発症では脳の構造異常が見られる例が多く陰性症状が目立つものが多い傾向があります。
過去問をみていきましょう
統合失調症の陰性症状はどれか。
1、体感幻覚
2、思考化声
3、被害妄想
4、感情鈍麻
5、作為体験
第38回-70
解答:4
1、体幹幻覚:正常であれば感じることがない身体の感覚を感じるという異常な感覚
2、思考化声:頭の中に浮かんだ自分の考えが声になって聞こえてくる
3、被害妄想:自分が他者から害を加えられているという妄想
4、作為体験:自分が他社に操られ他者の意のままに行動させられていると思うこと
統合失調症の症状で誤っているのはどれか
1、連合弛緩
2、思考制止
3、思考吹入
4、自生思考
5、考想化声
第40回-97
正解:2
1、連合弛緩:個々のアイデアに理論的な結びつきがなくなって文脈のまとまりがない状態
2、思考制止観念が思うように浮かばない症状でうつ病で見られる。統合失調症では思考途絶といい思考が途中で突然停止するものが生じる
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