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はじめに
立ち入り調査にはいろんな種類や実施方法があります。
保健局から毎年のように行われる調査もありますし、厚生局からの「個別指導」という立ち入り調査もあります。
ほかにも厚生労働省との「特定共同指導」という厳しい調査もあります。
これから説明する立ち入り調査は以前は「監査」といっていたもので現在の「適時調査」になります。
厚生局からくる適時調査は毎年ではなく、だいたい4~6年に1回くらいの割合で行われることが多いようです。
これからリハビリテーションにおける厚生局施設基準適時調査(以下、適時調査)について書いていきます。
どのようなことを調査されるのか
適時調査で調べられる大まかな内容をザックリいうと…
- 法律に則って業務ができているか
- 届出と異なることがないか
ということです。
調査内容等は時期や地方によっても多少異なるようですが一般的に準備が必要な書類や視察の際に質問されることの多い項目についてまとめていきます。
立ち入り調査の際に提出する書類は?当日どのような質問をされるの?
当日までに準備する書類
- リハビリテーション従事者全員の免許証
- リハビリテーション従事者の出勤簿
- 休日のリハビリテーション提供体制がわかる書類
- 個人のリハビリ実施書類・日報・月報(疾患別)
- 回復期リハビリテーション料の施設基準に関する書類(重症患者・改善率・在宅復帰率等)
- 疾患別リハビリテーション料 登録医師
- 過去の専任医師届出書類
- 疾患別リハビリテーション料 療法士届出人
- リハビリテーション総合実施計画書のコピー
- 算定超え患者カルテ
- カンファレンスの記録
- 専用の機能訓練室(リハビリテーション室)の配置及び平面図
- リハビリテーション使用機器一覧
立ち入り調査の内容
厚生局から数人来られて上記にあげた書類などをチェックされます。
そしてこれからご紹介する質問などを通して調査が行われます。
普段より通常業務をきちんとやって記録なども普通に行っていれば問題ない内容のものばかりであるとは思います。
視察される場所
- 受付
- 理学療法室
- 作業療法室
- 言語聴覚室
- ADL室
- 備品の確認
などひと通り視察の際に見られます。
次に質問されることの多い項目についてご紹介します。
視察の際に質問・調査される内容
リハビリの内容について
- 定期的な評価が実施されているか?
- リハビリの治療プログラムが画一的でなく見直しがされているか?
- リハビリテーションの対象疾患を適切に把握し患者さん個々に適したリハビリテーションを行う体制になっているか?
カルテなど記録について
- 訓練実施記録は書いているか?
- 訓練時間が分単位で記載されているか?
- リハ開始・終了時間が記録されているか?
- 機能訓練の内容の要点が記載されているか?
- カルテの時間記載、署名、各種検査用紙(記入済み)の確認
- 他院からの転院紹介患者等、発症日を適切に把握し、標準算定日数を超えて継続する場合は継続することとなった日を診療録に記載されているか?
- 標準算定期間超えの患者に算定期間を超えた時に延長となる記録はあるか?
- 早期加算算定についての記載はあるか?
- カンファレンスの内容と記載場所、カンファレンス記録の保管場所はどこか?
- 他職種が参加してのカンファレンスの記録はあるか?
リハビリの時間や単位について
- 1単位が20分未満で実施されていないか?
- セラピストの一週間の単位数を確認させてください。
- 1日にセラピストが何単位実施しているか?
- 患者別の単位数の把握、セラピスト別の単位数の把握されているか?
- 入院患者は予定時間の通りにリハビリを実施できているか?
- 1週間に108単位、1日24単位をこえてリハビリが実施されていないか?
- 入院患者は予定時間通りに訓練できているか?
- ベッドサイドリハを行う時間的余裕はあるか?
- リハビリ実施時間は他の患者さんと重なっていないか?
- 実施時間が毎日同じではないか?
- スケジュールがタイトすぎないか?
- どのような方法で時間管理をしているのか?
外来について
- 外来患者は予約時間通りに訓練できているか?
- 外来での日数制限の患者への対応や人数はどのように行っているか?
- 予約制か?
- 予約は何日前から入れられるか?
- 予約外に患者さんがこられた場合の対応は?
- 予約は1人あたり何分か?
リハビリテーション総合実施計画書について
- 医師がリハビリテーションの開始時に計画書の内容について説明しているか?
- 医師が計画書の内容を診療録に記載しているか?
- 実施計画書の作成状況と患者さんなどのサインがあるか?
- リハビリテーション実施計画料は算定していますか?
- リハビリテーション実施計画書の書式は独自のものですか?
- 総合実施計画書の策定はどのようにしているか?
- 計画書の内容について患者への説明は誰がしているか?
- 患者サイン欄に家族がサインすることはあるか?
- リハ総合実施計画書の説明交付までの流れについて
- リハ総合実施計画書の内容について説明できなかった場合の対応などは?
- 計画書の内容が画一的にならないように患者の機能検査等をもとに個別・具体的なものになっているか?
- 計画書は指定の様式に沿ったものになっているか?
- 標準算定日数を超えて継続してリハビリテーションを行う患者のうち治療を継続する事により状態の改善が見込めると判断した患者について継続する日からのちの1ヶ月に1度以上計画書が作成されているか?
- 看護師等、他職種が共同して作成しているか?
- リハ計画書はきちんと定期的に作成して同意を得られているか?
- 計画書に最終的な改善の目標や改善までの見込期間を記載できているか?
その他
- 単位の過剰請求や請求漏れはないか?
- 部門システムは何台あるか?(電子カルテ・リハシステム)
- 部門システムと電子カルテは連動しているか?
- 初期加算や早期加算は自動的に入るか?
- 回復期病棟の患者と運動器・脳血管・呼吸器のリハビリは同じ訓練室で訓練しているか?(一緒でも特に問題はない。)
- 退院時指導料はどのような人に算定していますか?算定方法は?
- セラピストは疾患別の担当制か?
- 介護保険に関わる通所リハを実施する従事者と疾患別リハビリテーションを行う従事者を明確に区別しあるか?
- 早期加算は何処の部署で算定・非算定を決定していますか?(医師が確認、医事課で算定決定)
- 届出図面や面積と相違ないかの確認。
- 届出機器の確認。機器の設置状況や使用頻度などについて
- 回復期専従セラピスト・地域包括ケア病棟専従セラピストが専従である事が分かる資料を提示してください(日報などでの確認)
- 1人の患者に対して1日何単位実施されているか具体的に提示してください(セラピスト日報や、電子カルテ等で対応)
まとめ
普段から記録などの書類業務もしっかりやっていれば基本的には問題ない内容ばかりであると思います。
このような記事をまとめている私自身も含めてですが、こういった立ち入り調査の前にあせらなくてもいいように普段から書類業務もしっかりやっておくことが何よりも大切です。
この記事を参考にしていただき日頃から気を引き締めて業務に取り組んでいきたいものですね。
毎回勉強なります!
ありがとうございます!
こちらこそいつも訪問いただきありがとうございます。